新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)対策センターは5月2日の定例会見で、3日から実施される一部商業施設の営業再開についての詳細を発表した。
タイ国家安全保障会議のソムサク事務局長はこの日、感染防止策を経済再生策に優先させるとの基本方針を明確にした上で、アルコール飲料の販売再開は5月3日から可能であるが、告知権限は各都県の都知事・県知事にあることから販売再開後に感染者が増加した場合には都県ごとの判断で再びアルコール飲料の販売を中止できると説明した。購入したアルコール飲料は自宅で飲むことになるが大人数で集まり酒席を設ける行為は非常事態宣言の規定で禁止されている集会禁止に抵触することから警告もしくは罰則適用の対象になるとした。
この日発表された規制緩和に関する詳細は以下の通り。
■ホテル・空港・鉄道駅・バスターミナル・食堂・喫茶店・コンビニエンスストア・改造車店舗・行商・露店では以下のサービスが許可される。①持ち帰り用飲食品販売②店内飲食も可能である、座席を最低1㍍離すほか(1.5~2㍍を推奨)、入店時の検温、消毒ジェル設置を徹底する。③アルコール飲料は持ち帰り分のみ販売可。
■デパート・ショッピングセンター・コミュニティーモールでは、スーパーマーケット・ドラッグストア・日用雑貨店・携帯ショップ・銀行・官公庁営業所の営業が許可される。レストランは持ち帰り分のみ販売可。
■小売店・卸売店・市場店・水上マーケット・定期市は営業が認められるが、入店・入場者に対し検温を実施するほか、店舗間隔・買い物客間隔を最低1㍍(1.5~2㍍を推奨)離すなど感染防止策を徹底する。
■美容院・理髪店はシャンプー・カット・ブロー・セットのみ可能。毛染めやパーマなど時間のかかるサービスは許可されない。また、店内での順番待ちを禁止する。
■病院、歯科医院など合法的に開設されたすべての医療施設は営業可。美容整形・美容外科に分類される医療サービスは不可。
■ゴルフ場、練習場は営業可。しかし、競技に類する行為、プレーをしない者の入場は禁止。
■テニス、乗馬、射撃、アーチェリーを実施する屋外運動場は営業可。競技者は一定距離を保ち、競技に類する行為、プレーをしない者の入場は禁止。
■公園、広場、運動場はオープン可。運動場は屋外で十分な広さのあるところに限る。競技等に類する行為は禁止されるほか、単なる付き添いでの来園・来場を禁止する。
■ペットショップ(ペットスパ、シャンプー、トリミング、一時預かりのみ)
一方、県境をまたぐ移動について内務事務次官は、不要不急の場合を除いて自粛もしくは禁止しているうえ、規制の強弱は県によって異なると説明。タイは5月11日まで休みが続くが、首相はこの間の外出を自粛するよう求めている。
(バンコク週報 2020年5月2日)