経営危機に陥っているタイ国際航空の労働組合は7日、フェイスブックに声明を出し、タイ航空はフラッグキャリアであり、会社の分割、民営化に反対すると表明した。
労組の声明に対し、フェイスブックには、「税金泥棒」「倒産しろ」といった批判が殺到している。
タイ航空に関しては、プラユット首相が5日、政府による資金援助の条件として、経営改革の実行と従業員の協力を挙げ、今回が経営再建の最後のチャンスと警告していた。再建計画の具体的な内容は明らかになっていないが、運航機数と従業員の削減は避けられない見通し。
タイ航空はタイ財務省が株式の51%を保有する国営企業。2012~2019年に累計約660億バーツの赤字を出し、2019年末の負債総額は約2450億バーツに上る。すでに危機的な状況の中、新型コロナウイルスでほぼ全面運休に追い込まれた。
タイ政府が経営改革のためタイ航空に送り込んだ過去3代の社長はいずれも就任1、2年で辞任した。交代の度、社長不在の期間は1年以上に及んだ。直近では2018年9月に就任したスメート社長が今年4月付で辞任した。いずれも軍や政治家の利権構造、強力な労組などに経営改革を阻まれ、辞任に追い込まれたとみられている。
(newsclip.be 2020年5月7日 23時00分)