25日、タイ警察のソムヨット長官は、バンコクの警察本部で記者会見を開き、
ポンパット警察中将(前中央捜査局長)ら警官7人、民間人5人を、
不敬罪、収賄、資金洗浄などの容疑で逮捕し、
20億バーツ(約72億円)以上の資産を差し押さえたと発表した。
ポンパット中将宅11軒、コーウィット警察少将(前中央捜査局副局長)宅1軒、
20日に転落死したアカラウット警察大佐宅2軒など、
バンコク首都圏を中心に容疑者宅15軒を捜索し、
自動車数十台と、地下金庫や隠し部屋に隠された現金、宝飾品、仏像、象牙などを押収した。
警察によると、ポンパット中将らは、違法な賭場や石油密輸業者などから賄賂を受け取っていたほか、
昇進を希望する警官に警察ポストを販売し、多額の金銭を得ていた。
また、賄賂を要求する際、王室関係者の関与をほのめかした。
ソムヨット長官は、捜査の進展にともない、逮捕者がさらに増える見通しであることを示唆した。
今回の逮捕は、公然の秘密と言われるタイ警察の汚職に切り込んだ形だ。
ただ、表に現れた事件は氷山の一角で、水面下では重大な権力闘争が進行中という見方がある。