タイ軍事政権は、タクシン元首相が導入した事実上のコメ買い取り制度である
「コメ担保融資制度」を引き継ぎ、コメ農家への支払いを開始した（26日）。
タクシン派の支持基盤である農家に手厚く配慮し、クーデターへの反発を抑える狙いがある。
コメ担保融資制度は、インラック政権の目玉政策の一つで、政権発足直後の2011年10月に導入されたが、
政府が市価の約4割高でコメを買い取ったため、コメ農家には好評だったが、タイ産米は価格上昇で輸出量が激減し、2012年には初めてコメ輸出世界一の座から転落した。
また、政府がコメの国際価格の上昇を待って売却を遅らせた結果、膨大な在庫が積み上がり、
今期のコメ買い取りに必要な資金1930億バーツの一部が不足し、農家への支払いが数カ月に渡り滞っていた。
コメ担保融資制度は、IMFなどから、財政負担が重い割に政策効果が低いと批判を浴びており、
買い取り資金の大半が精米業者、輸出業者、政治家、大規模農家にわたり、汚職の温床になっているという指摘もある。
