タイ政府は15日の閣議で、ロングステイを目的にタイに長期間滞在する外国人向けの「スペシャルツーリストビザ」の導入を原則承認した。
タイ入国時にホテルなどで14日間の隔離を行う、タイ滞在中のホテル・住居を証明することなどが発給条件。滞在期間は入国時から90日間で、その後、1回90日、計2回の滞在期間延長を認める。2021年9月末までの時限措置で、導入日は明らかにしていない。
2019年にタイに入国した外国人は前年比4.2%増、3980万人で、インバウンド観光がGDP(国内総生産)に占める割合は10%以上だった。今年は新型コロナウイルス感染症による入国制限で外国人旅行者がほぼ姿を消し、観光業界は危機的な状況にある。
タイ政府はタイ人による国内旅行の費用の一部負担などの旅行需要喚起策を打ち出し、一定の成果を得たが、外国人旅行者の穴埋めには程遠い。新型コロナの国内感染はほぼ収束したものの、感染拡大防止の成功により、外国人旅行者の受け入れ再開を拒む世論が形成され、政府は難しい対応を迫られている。「スペシャルツーリストビザ」を導入しても、利用者は限定的と予想される。
(newsclip.be 2020年9月16日 00時30分)
