タイ看護協会南部支部による発表によれば、2024年12月13日、プーケット発スワンナプーム空港行きのPG278便において、同乗していた看護師2名が緊急事態に対応し、2人の乗客の命を救うという出来事がありました。
第一の緊急事態:搭乗直前の異変
午後7時45分頃、搭乗口付近で一人の外国人乗客が意識を失い倒れ込みました。たまたま同便に乗り合わせていたワチラプーケット病院の熟練看護師キッティタット・マイトリチット氏と実務看護師ワンナポーン・マイトリチット氏は、状況を察知し迅速に現場へ向かいました。
患者は意識不明でしたが脈拍と呼吸は確認でき、同行者によると前日から下痢や嘔吐、体力低下を訴えていたとのことです。二人は救急キットを用いてバイタルサインを測定し、初期対応を施しました。その結果、患者は徐々に意識を取り戻し、自力で座席に移動できるまで回復しました。状況が安定したことを確認した上で、飛行機は離陸しました。
第二の緊急事態:空中での危機
しかし、離陸後間もなく、今度は別の乗客が意識を失うという事態が発生しました。客室乗務員のアナウンスにより緊急の助けを求められると、キッティタット氏とワンナポーン氏は再び前線に立ち、患者のもとへ急行しました。
この患者は顔色が悪く、疲労困憊している様子で、脈拍も弱い状態でした。聞き取り調査によると、最後に食事を摂ったのは前日で、10回以上の嘔吐と5回以上の下痢をしていたことがわかりました。二人は再び救急キットを使用してバイタルサインを測定し、点滴と吐き気止めの投薬を行い、患者を近くで観察しました。その結果、患者は意識を取り戻し、容体は安定しました。
タイ看護協会、善行を称賛
タイ看護協会南部支部は、キッティタット・マイトリチット氏とワンナポーン・マイトリチット氏の迅速かつ的確な対応を高く評価し、次のようにコメントしました。
「2人の看護師が、専門知識を活かし自己犠牲的な行動をとったことで、多くの命が救われました。これらの行動は社会における看護師の重要な役割を改めて示すものであり、彼らの行動を心から称賛します。」
稀な出来事に感謝の声広がる
今回のように、1便で2件の緊急事態が発生することは極めて珍しいといいます。機内の客室乗務員も「これまで経験したことのない事態だった」と語り、看護師2名の冷静な対応に感謝の意を示しました。
緊急事態の発生にもかかわらず、患者2名は無事に回復し、予定通りスワンナプーム空港に到着。その後、さらに詳細な検査を受けるため病院に搬送されました。
この出来事は、看護師の専門性と迅速な判断の重要性を再認識させるものであり、2人の行動は広く社会に称賛されています。
(タイランドニュース 2024年12月16日)