タイのプラユット首相兼国防相(元タイ陸軍司令官)は15日午前4時付で、「過激」行為に対処するためバンコク都に非常事態宣言を発令し、バンコクのタイ首相府前で座り込みを行っていた民主派の反政府デモ隊数百人を機動隊で排除、デモの指導者数人を逮捕した。
非常事態宣言の発令にともない、バンコクでは5人以上の集会や、「国民を恐れさせる」「誤解させる」情報、ニュースの伝達、放送を禁止する。
バンコクでは14日、プラユット首相の退陣、民主的な新憲法の起草、王室改革などを求めて数万人が反政府デモを行い、一部が首相府前で座り込みを始めていた。
この日のデモでは、首相府前で、スティダー王妃、ワチラロンコン国王の息子のティーパンコンラサミーチョート王子らが乗った車列がデモ現場を通過し、デモ隊と警備隊が一触即発になる場面があった。また、プラユット首相は15日、訪タイする中国の王毅外相との会談を予定しており、こうしたことが非常事態宣言発令につながったもよう。
非常事態宣言の発令を発表したアヌチャー政府首席報道官は、車列を妨害して王室を侮辱したとデモ隊を非難。プラユット首相が「デモに参加した若者、学生のことを心配している」として、両親、保護者に対し、「子どもを帰宅させる」よう呼びかけた。
(newsclip.be 2020年10月15日 09時49分)