タイ最大級の財閥CPグループを中心とする共同企業体とタイ国鉄(SRT)は24日、バンコク北郊のドンムアン空港、東郊のスワンナプーム空港、東部ラヨン県のウタパオ空港という3つの空港を結ぶ高速鉄道(総延長220キロ)を官民で開発する共同投資契約に調印した。
調印式にはプラユット首相、アヌティン副首相兼保健相、アヌポン内相、サクサヤーム運輸相らが立ち会った。
スワンナプーム空港とバンコク都内のパヤタイ駅を結ぶ既存の高架鉄道エアポートレイルリンク(総延長28キロ、最高時速160キロ)をドンムアン空港とウタパオ空港に延伸する形で、▼ドンムアン空港~エアポートレイルリンク・パヤタイ駅(総延長21キロ、最高時速160キロ)▼エアポートレイルリンク・スワンナプーム空港駅~ウタパオ空港(総延長170キロ、最高時速250キロ)―の2区間の高速鉄道を新たに建設する。駅はドンムアン空港、SRTの新たな中央駅として開発が進むバンコク北部のバンスー駅、バンコク都心アソーク通りのマカサン駅、スワナプーム空港、東部のチャチュンサオ県チャチュンサオ市、チョンブリ県チョンブリ市、チョンブリ県シラチャー市、チョンブリ県パタヤ市、ウタパオ空港の9駅を予定している。
鉄道開発にともない、バンコク都内のエアポートレイルリンク・マカサン駅前の土地24ヘクタールとシラチャー駅周辺の土地4ヘクタールを商業開発する。
タイ東部の鉄道、空港、港湾などを整備し新たな産業の誘致を図るEEC(タイ東部経済回廊)構想の一環で、期間50年(開発期間5年、運営期間45年)の官民連携(PPP)事業として開発する。土地の確保を政府が担当し、民間が鉄道の建設運営、沿線開発などを行う。総事業費2245億バーツで、2023年開業の予定。ただ、タイで大規模インフラ事業が予定通り完成することはまれ。
CPを中心とする共同企業体メンバーと戦略パートナーは、中国の中国鉄建、中国中信集団(CITIC)、華潤創業、中国中車、タイ・ゼネコン(総合建設会社)大手のイタリアンタイ・デベロップメント(ITD)とチョーガンチャン、バンコクの地下鉄、高速道路などを運営するバンコク・エクスプレスウェイ・アンド・メトロ、日本の海外交通・都市開発事業支援機構(JOIN)と国際協力銀行(JBIC)、独シーメンス、韓国の現代グループ、イタリアの鉄道会社フェッロヴィーエ・デッロ・スタート。
(newsclip.be 2019年10月25日 00時49分)