タイ中央破産裁判所は9月29日、タイの格安航空会社ノックエアラインズの会社更生計画を承認し、ウティポン同社最高経営責任者(CEO)ら4人を更生計画管理者に任命した。
負債総額は273億バーツ。融資と増資で資金を調達し、非中核資産の売却、コスト削減などで経営再建を図る。
ノックエアは2004年、マレーシアの格安航空大手エアアジアのタイ進出に対抗するため、タイ国際航空などタイ政府系資本とタイ王室系資本が中心となり設立された。当初は筆頭株主であるタイ航空の格安部門と目されたが、王室に近い名門サラシン家出身で創業株主のパティー・サラシン氏が独自経営を続け、タイ航空とはぎくしゃくした関係が続いた。
2014年以降、大幅な赤字が続き、2017年から数回にわたり株主割当増資を実施したが、タイ航空は増資に応じず、出資比率が13.3%まで低下した。代わってタイ自動車部品大手サミット・グループのオーナー、ジュラーンクーン家が株式の約75%を取得し経営に乗り出している。
2020年、新型コロナウイルス感染症による大幅な減便で、売上高が前年比66%減の67.4億バーツ、最終損益が79.9億バーツの赤字となり、経営が破たんした。2020年末で70億バーツの債務超過に陥っている。
(newsclip.be 2021年10月3日 16時28分)